ふろあのSP盤掲示板

教えて下さい（『恋の南大門』）
ふろあ	7/14(土) 18:15:52 No.20120714181552 返信 削除
姜石燕の『恋の南大門』（西條八十詩）という曲があります。「戦前の朝鮮流行歌レコード」でも紹介をさせていただきました。その歌詞に、１番の「春の南大門の　髭さんの煙管よ」と記したのですが、何十回と繰り返し聴いていると、「髭さんの煙管」ではなく、「チゲサンの煙管」に聴こえてきました。 「チゲサン」の場合、意味がわかりませんが、類似したものに「チゲックン」（チゲで商品を担ぐ行商人）があるようです。市丸の新民謡『京城小唄』（西條八十詩）にも「チゲクンのタンバリヤ」という語が出て来ます。 ドーナツ盤（ＥＰ）やＬＰと違って、ＳＰ盤に当時の歌詞カードが残っているケースは少なく、ヒット曲以外は歌詞の確認というのは意外と難しい作業なのです。とくに戦前は、現代と違い詞の言い回しも奥行きがある表現が多く、現在使われない固有名詞など死語も沢山使われています。 『恋の南大門』の当時の歌詞カードを持っておられる方、または確実な歌詞情報を御存じの方は、是非ご教示をお願い致します。

京城和信店歌
ふろあ	7/9(月) 00:18:52 No.20120709001852 返信 削除
詩人で、早稲田大学校歌『都の西北』や「カチューシャの唄」の作詞でも有名な相馬御風について検索していたら、この方、地方歌・団体歌のジャンルで、戦前における京城の百貨店のひとつ、和信百貨店の社歌『京城和信店歌』を作っていることがわかりました（相馬の出身地・新潟県糸魚川市のＨＰで確認できます）。 和信百貨店の存在は、林廣茂著『幻の三中井百貨店』で教わりました。三中井、三越京城、平田、丁字屋とともに京城の五大百貨店の一つで、朝鮮人資本の会社だったそうです。 朝鮮の社歌・団体歌については、「戦前朝鮮のご当地ソングレコード」で触れていますが、もとよりその種類はほんの一部と思われ、『京城和信店歌』のような曲が、現地企業によって数多く作られていた可能性は否定できません。 こうした社歌の類は、レコード会社が受注生産で限定数ですがプレスしているものですので、ＳＰレコードが存在していたら大変貴重です。現在の韓国に１枚でも残っていることを祈りたい気持ちです。

能登金剛と朝鮮
ふろあ	7/8(日) 06:30:35 No.20120708063035 返信 削除
石川県の能登半島の西海岸には「能登金剛」と呼ばれる地域があります。切り立った断崖絶壁や奇岩などが海岸沿いに点在する景勝地です。そのうちの「ヤセの断崖」は松本清張の小説『ゼロの焦点』の舞台にもなりました。 隣県出身の私は、学校時代の遠足も含めて何度か訪れたことがありますが、最初はこの「金剛」という呼称が何故つけられているのか不思議に思っていました。のちに朝鮮半島の海金剛に景色が似ているので、能登にある金剛という意味合いで、能登金剛とつけられたということを知りました。 現在は北朝鮮となっている江原道側にある金剛山は奇峰が乱立する名勝として有名であり、内金剛、外金剛、海金剛に大別され、日本統治時代も朝鮮を代表する観光地になっていました。 能登金剛は朝鮮の景勝地から由来という「発見」は私にとって新鮮でした。日本各地には富士山と山容が似ている山の名前を「○○富士」と読んだり、海岸では「○○松島」と冠している場所が散見されますが、ああした感覚に近い。 子供の頃から古いものが好きであり、ＳＰレコードの朝鮮関係の盤についてあれこれ書いているのも、何やらそこからつながっているような気もします。

李アリスの朝鮮譜盤『荒城の跡』
ふろあ	5/29(火) 22:05:11 No.20120529220511 返信 削除
拙文で紹介した『あだなさけ』をうたった、李アリスの朝鮮譜盤『荒城の跡』が動画サイトユーチューブに投稿されておりました。황성옛터 - 이애리수 (1932)・・・ 動画映像の日本ビクター朝鮮譜レーベルによると、「49125−Ａ　編曲ビクター文芸部　抒情小曲」とありました。この頃の日本ビクター盤は番号の頭文字が朝鮮が４、内地が５です。カテゴリーに抒情小曲とありますが、日本コロムビアでも流行「小曲」という用語を使っています。 李の歌唱は声量が小さく職業歌手的な巧さは感じられませんが、情感があり、聴かせる迫力のようなものがあります。俳優出身というのがうなずけるところで、このへんは松井須磨子と少し似ているように思われました。