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戦前の朝鮮流行歌レコード

『노들江邊』


(オーケー20042/朴芙蓉)  

SPレコード

昭和9年にオーケーレコードから発売された新民謡。オーケーで新民謡や民謡を吹き込んでいる妓生出身の歌手、朴芙蓉がうたっています。

노들=ノドゥルとは漢江周辺の「鷲梁津」周辺(部分地図参照)の地名とされています。

レーベルには記載がありませんが、作曲者は文湖月。文は、オーケーレコードの創設者であった李哲の意を受け、同社文芸部長だった金陵人とともに全鮮を歩き回り、民謡の発掘に寄与した人物だといわれています。

ノドゥル江辺の春柳 ゆらり垂れた枝に

無情歳月の半ばを からめくくってみようか

エヘヨー 春柳も 信じられない

青いあの水ばかり 流れ流れていくよ (1番)

(訳詞は朴燦鎬『韓国歌謡史1895-1945』昭和62年9月、161頁より引用)

レコードにするために企画・制作された新民謡なのですが、どういうわけか現在の韓国では伝統民謡扱いになっています。

戦前の朝鮮で作られた新民謡には、流行歌風のリズムのものと、朝鮮の伝統民謡風のものがありますが、この曲は後者のパターン。陽性の軽快な曲で、流行歌のリズム構成に慣れている私には、聴き始めはとっつきにくかったです。

(平成24年10月1日稿)

ふろあ


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