韓国の近代史に興味が出ると古い新聞を調べることが
多くなります。
広告欄は企業が消費者に語りかける方法なので
企業思想をよく反映しています。
イメージ広告戦略を図っている美活石鹸で韓国美人を
いっしょに鑑賞しましょう。
写真は昭和3年の東亜日報の広告欄から取り出しました。
一重まぶたの伝統的な朝鮮美女です。
古新聞からの抽出なので画像が荒れるのはしかたない
と諦めてください。
昭和初期は伝統の韓国風の生活だけから
徐々に洋服に移行する人も現れた時代です。
その中で 伝統の韓服をつけた美女の広告は
現代にも
何か通じるのを感じます
美活石鹸は社名や効能などの宣伝文句を
いっさいださないでイメージアップを図っている
ことは 当時の消費者には分かっているのが
前提なのでしょう。
しかしイメ-ジ広告だけでは当時の知識の少ない
私にとって調べることが難しいのです。
難しいことは抜きで鑑賞に専念するのも良いですが
会社や背景を調べることは趣味なのです。
インスタントコーヒーのイメージ戦略の話を思い出します。
手軽で簡単に美味しく安価でと条件が整っている
はずなのに売上げが下がってきました。
経営を合理化して値下げしたら更に売上げ数が
落ちたようです。
イメージ調査するとインスタントコーヒーを飲むことは
料理に手抜きする怠け主婦のイメージが出ました。
それでCMのイメージ戦略を変化させたのです。
一流の人たちが好む、本物を知る人たちが選ぶ
のがインスタントコーヒーだとするイメージが
浮かぶように広告したので売上が回復したそうです。
製品名は最後の少し出すことで 一流と同じである
ことを狙ったのです。
この美活石鹸も 雰囲気のある美女が使うイメージの
同化を狙ったものと思われます。
でも会社名くらいは 欲しいなぁ
ずっと思っていると見つかるものです。
別の件で朝鮮日報のバックナンバーを調べて
いて、 やっと会社名が載った広告に出会うこと
になりました。（昭和13年7月16日号）
大阪の「株式会社吉田久四郎商店」だと
分かり
ました。
吉田久四郎は製造業ですが、日本石鹸輸出
組
合の役員をし、上海や各地の石鹸業者に
製造
技術指導を行なっていたようです。
戦時になると国指導で石鹸配給統制会社が
作られ、
そこに吸収されて消えたようです。
（2009/02追加）