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朝興銀行

 
朝興銀行釜山支店 朝興銀行は東京にも支店があったので日本語の
ホームページも 作っていました。
その中で韓国で一番古い歴史のある銀行だと
書いてありました。(現在アクセス不可)

朝鮮総督府や商工会議所の発行した統計や
経済・社会の資料には朝鮮人資本でできた
最初の銀行は大韓天一銀行(1899)で、 2番目は
漢城銀行(1903)となっています。

写真は1960年ごろの朝興銀行釜山支店
資料を調べる必要があると思ったので、釜山市民図書館に出かけて、書庫に保存してある
朝興銀行の社史を見せてもらいました。

蔵書してあるのは 下記の3冊でした。
1.朝興銀行65年史:1962年 発行
2.朝興銀行90年史:1987年 発行
3.朝興銀行100年史:1997年 発行

係員に新しいのだけではなく 3冊全部を見たいと言うと 歴史だから同じですよと言われましたが、
面白そうな予感がしたので 3冊全部を出してもらいました。

開いて見るとやはり興味深い内容です

朝鮮総督府の指導で金融統一が進められ、1943年に漢城銀行と 東一銀行が合併して
朝興銀行が生まれました。 朝興銀行は 漢城銀行の歴史を継承しているのです。

朝鮮が開国すると日本商人が進出を始め、金融機関も 支店を各地に設置を始めました。

第一銀行は1878年に釜山支店ほか14箇所の都市に支店を設け、 第十八銀行(1888年)
安田銀行(1890年)なども支店を各地に展開しました。

資本の供給が出来る銀行の必要性を感じた韓国財界の金宗漢などが 発起人となって
民間金融業の漢城銀行を1897年に創設しました。

業績不振で廃業寸前になったので、1903年に政府は資本投下して 公立にして韓国皇室財産や
貴族財産の管理もできる新組織にしました。

日本では両替屋時代や民間金融時代は銀行の歴史に含まないので、 民間金融時代を含む
歴史か どうか 定義の問題だったのです。

日本の記録では 漢城銀行が2番目の銀行になったのはその為です。

長崎の第十八銀行は 18番目に国立になった時の番号でそれ以前に 両替などを行なう
民間金融会社がありました。 でも それは創立前史になっていて記録にはありますが、
18番目の 国立銀行認可を設立起源としています。

面白いのはこれからです。韓国の歴史に対する複雑な事情を見る事が できます。

「朝興銀行65年史」でみる銀行長(頭取)の初代から8代までご覧ください。

朝興銀行の頭取65 初代 閔奎植
2代 鄭雲用
3代 金漢奎
4代 金教哲

左上の初代 閔奎植さんの顔を覚えて
次を見ます

記憶に余裕があれば他の人の顔も
覚えるともっと楽しめます。

1943年から1946年までの代表取締役会長
だったので朝興銀行ができた1943年の時の
会長で初代であることは確かです。

しかし漢城銀行からの歴史を継承して
いる事にすると初代を名乗ると問題だと
いう事を考慮してないのです。


朝興銀行の頭取65

「朝興銀行90年史」でみる銀行長(頭取)の初代から10代までご覧ください。

朝興銀行の頭取90 閔奎植さんの前に 新たに
漢城銀行の創立者の金宗漢さんが
載りました。

閔奎植さんは眼鏡をかけた写真に
なっています。

漢城銀行からの古い歴史を言う為に
創立者を載せる必要があったのです。

それでも朝興銀行の初代は動きません


朝興銀行の頭取90
朝興銀行の頭取90

「朝興銀行100年史」でみる銀行長(頭取)の初代から12代までご覧ください。

朝興銀行の頭取100

閔奎植さんの前に 9名が並びました。

閔奎植さんは 9代と10代の間の番外に
なりました。

ここでやっと漢城銀行の継承であることを
認めた事になります。

大きな特徴は 日本人頭取の名前も
併記されたことでし。

歴史を善悪やその他の価値観で見る
韓国の事情が分かる面白い資料です。

2007年には110年史が出ると予定で、
どのように変化するか楽しみに待って
いました。

そのとき閔奎植さんは社史から消える
と私は予想していました。

残念ながら2007年の110年史は発行され
る事はありませんでした。

長い歴史の朝興銀行は2006年の4月で
新韓銀行に買収されて歴史を閉じる事に
なったからです。

朝興銀行が消えた
朝興銀行の頭取100

社史を読むとは表の歴史に載らない
複雑な事情が分かるような気分になれます。


朝興銀行の頭取100
朝興銀行の頭取100


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