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木本商店
木本商店は釜山幸町一丁目の繁華街にあり
呉服の大店として指折りでした。
写真中央の店です。
下記の広告で分かるように
タバコや石鹸、ミルクなどの卸売り部と
呉服・反物の小売部がありました。
釜山居留地時代はすべての創業期なので
商人は多くが多業種の兼業です。
店頭に止まっている行商荷車の横に
カナと
ハングルで「ヒーロー」と書いて
あります。
これは 日本で最初の紙巻タバコの
製品名です。
京都の村井吉兵衛が開発してタバコ王と
して財を
築いたようです。
韓国でも人気があったようで、各地の
古い写真をみると「ヒーロー」の看板を
見ることがあります。
店主の木本普治は安政元年に長州（山口県）
熊毛郡の出身で、明治22年に渡鮮し釜山で
商売を始めました。
木本普治の名前は釜山で最初の電気の明かり
が点いたことで釜山近代史に残っています。
釜山居留民の代表で釜山電燈株式会社の
社長になりました。
明治40年に亡くなったので以後木本商店の
広告
も見えなくなりました。
木本商店のあった場所は特定できていません。
釜山港思案橋西ヘ入と書いてあることから
昌善洞1街の付近としかまだわかりません。
広告：朝鮮之実業2号（明治38年6月）
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