朝鮮物産共進会.10
（京城協賛会区域1）
朝鮮共進会の施設は二つの区域に分かれて
建設・運営されていました。
（会場の全体図）
朝鮮総督府が直接運営する 正面と右側の
主要陳列館と京城協賛会が建設・運営した
左側の娯楽・売店・休息所などの施設です。
この頁と次回は 左側の京城協賛会担当の
区域を紹介します。
この区域の大きな特徴は夜間入場がある事
です。左の迎秋門は夜間入場ができました。
夜間運営は行灯、提灯、ランプなどの暗い灯
から輝く電灯の明かりや活動写真などを見せて
近代技術の普及目的もあったからです。
協賛会区域の「迎秋門」を入ると各道売店の
長屋が2列に並んでいます。
売店は上図でピンクで表示してあります。
各道売店は朝鮮の道別の地方特産品を紹介
販売していました。
北側には聯合売店の長屋があり、各所に煙草の
販売店が個々にありました。
演芸館は229坪の2階建てで 2階の客席も
西洋式に土足で上がることが特徴でした。
客席は斜面になり、後ろからでも演舞や、
活動写真を楽しめるようになっていました。
夜はライトアップされて華やかに人目を
引いていたのです。
京城の各検番を動員して芸妓の日舞の作歌を
大家の半井桃水に依頼し、節付に富士田音蔵、
作曲は杵屋勝太郎、振付は芳之輔、花柳徳太郎
鳴物は六郷新十郎などの東京から師匠を招き
技を磨いたのです。
写真：京城券番「つひのよるべ」
妓生組合でも伝統の妓生舞踊を披露しました。
写真は「施政五年記念聖澤舞」
演舞の中で注目を浴びたのが天勝一座の劇です。
「サロメ」は妖艶な演技で話題を集めたのです。
野外教育活動写真場
5坪の映写台と150名の座席を置いて夜間に無料観覧できるようにしてありました。
映画内容は下記のような教育映画でした。
団体食事場
総天幕張りで建坪48坪で180名分の食卓と腰掛がありました。
無料休息所
各5坪の八角建庭風建築物で32名分の腰掛がありました。
高等有料便所
演芸館裏に1箇所 西洋建築11坪の有料便所があり、化粧品、手洗場がありました。
一回の使用料金は2銭
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