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朝鮮物産共進会.4 技術文明の粋(電燈・飛行機)
物産共進会の目的は国民のすべてに技術文明を知らし、併合の5年間でどれだけ
生活文化が急激に発展したかをアピールすることでした。旧王朝との比較がポイントになっていました。

満月の下で行う伝統行事はありましたが 昼のように明るくした人工照明の下で行う夜間の
屋外文化の無かった朝鮮の人たちに技術文明と新政権をアピールしたのです。

電気会社の韓城電気が作られたのは明治29年で、
明治31年には電車が開通していました。

ソウルでは電燈の使用も増えていましたが
一部の裕福な家と商店に入っただけでした。

庶民の多くは暗くなると寝るだけで、お金に多少
余裕があっても行灯または石油ランプの生活が
当然だったのです。

(右)演芸館のイルミネーション
土足のままで2階の観覧席まで上がれる
最新式の洋式劇場
(左)慶会楼のライトアップ

(左)夜空に立つ東亜煙草広告
市内にこれまで 高い塔が無かったので企業は
宣伝のため各社でいろいろな塔を建てました。

(右)正面にある大噴水のライトアップ
左が鐵道局特設館、右は多くの電球で飾られて
夜空に輪郭を示す光化門

朝鮮物産共進会場内部だけではありません。
2基の五重灯篭で道を入口を照らして目印にし、
沿道には80基の春日灯篭で大道路を飾っていました。

京城協賛會事務所の東側の広場に建設された
塔から1万5千燭光のサーチライトが2基が連日
夜空を照らし市中のどの位置から見えたのです。

南大門も昼間はモールで飾り夜はイルミネーションで
輪郭を見せていました。

もちろん商店街も万国旗を上げ、共進会を祝う
提灯を並べ、アーチをつくり協賛したのです。
南大門通、大平町通、黄金町通、長谷川町通、
漢江通などそれぞれにデザインした提灯で大路を
飾ったのです。

人類が鳥のように翼をもったという最新の
技術を紹介するために 仏式の新鋭機の
「モーリスファルマン」を帝国飛行協会
が展示飛行を行いました。

飛行機の発着を行った龍山錬兵場では観覧料
5銭で(子供3銭)で多くの人たちが集まりました。

売上げは39万円余りになり好評だったと記され
ています。

10月1日から17日まで毎日 龍山錬兵場から
会場まで訪問飛行を行いました。

会場では文明の発展を実際の様子の見学で
各地方から多くの人たちが感激して帰ったのです。


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