交隣須知(外務省版)
耕地の少ない対馬藩は 昔から釜山との交易で
生計を立てるようになっていました。そのため朝鮮語を話せる必要がありました。
対馬藩士の「雨森芳州」は日本で最初の日韓
辞典を 作り 通訳の養成や日韓交流に情熱を
かけていました。彼が作った辞書が「交隣須知」です。
明治になり 対馬藩に代わり外務省が外交を
担当するので どうしても語学が必要です。外務省は唯一の朝鮮語辞典である「雨森芳州」の
「交隣須知」を使って朝鮮との交渉にあったのです。ところが 江戸時代」中期の言葉の古い言い回しや
釜山の方言が多く混ざっていて 漢城(ソウル)の
役人との交渉で通じない事が多い事に気がついたのです。そこで 外務省は山口県の「寶迫繁勝」に朝鮮語の
辞書の改訂版を作ることを命じました。
この写真の本は「交隣須知」外務省改訂版の複製です。
オリジナルは国会図書館と釜山図書館にそれぞれ1冊
づつしか存在しないそうです。釜山図書館ではオリジナルは大事に保管してあって、複製を作り、
古文献室で複製を自由に閲覧複写できるように便宜を図っています。
古いハングルの表現を勉強したいと思う方に最適の資料です。左は中表紙、下は内容の最初の頁です。
「在朝鮮国釜山港日本領事館」と書かれた印で歴史が
実感できる気がします。老人星とあるのはシリウスの次に明るい星である竜骨座の
「カノプス」です。
三台星は北斗七星のあるおおぐま座の足先の3つの星を結んだものです。
参星はオリオン座です。
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